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概要
平成10年度税制改正
により大幅な緩和措置
譲渡資産・買換資産
取得時期
譲渡益と買換資産に
付す取得価額
メリット、デメリット
適用を受けるための手続
独断と偏見の
買い換えアドバイス

収益性の低い不動産から高い不動産への組替え
(特定の事業用資産の買い替え特例を使った不動産の組替え)

概要

資産の組替には二つの方法があります。

一つは交換です。交換はお互いに相手の資産を欲しいと思い、且つ交換資産の価額が
折り合う必要があります。
しかし、そんな都合の良い相手はめったに見つかるものではありません。

もう一つは買い換えです。所有する資産を売却して、欲しい資産を買う方法です。

これなら譲渡する相手と買い換え資産を購入する相手が異なりますから、
別々に交渉が可能となり、選択の自由度は大きく広がります。

しかし、問題は税金です。
通常、譲渡益に対して税金が課税されますので、手許に残る買い換え資金は
譲渡価額から譲渡税、譲渡費用を差し引いた残りということになります。

ここで、譲渡して納税後、手許にどれだけ資金が残るか計算してみましょう。
長期所有資産の譲渡で概算取得費の場合、譲渡税と諸費用の合計額は譲渡価額の約22%
になりますので、手許残資金は約78%ということになります。  
  • A:譲渡価額
  • B:譲渡資産の概算取得費 A×5%
  • C:仲介手数料        A×約3%
  • D:その他の費用 印紙代、測量費等 A×1%
  • E:譲渡所得税        (A−C−D)×20%

買い換え資産に投資できる資金は、単純計算で譲渡価額より22%ダウンすることになり、
買い替えに諸費用がかかりますので、実際には、投資資金はさらに目減りすることになります。
これでは高収益資産に組替えても、ダウンした資金を取り戻すのは並たいていではありません。

そこで、売った資産の代わりに事業用資産を取得(買い換え)した場合には一定要件のもと、
一定割合には譲渡がなかったものとし、残りについてのみ課税する制度があります。

これは一定割合が非課税ということではなく、
買い換えた部分については投資の継続とみなし、
買い換えた部分のうち一定割合について課税の繰り延べる(買い換えた資産を次に譲渡したときに課税)制度です。

これを
「特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」
(長いので以下「事業用資産の買い換え特例」と言います。)

例えば一定要件を満たす貸駐車場(相続した土地で取得費不明)を1億円で譲渡して、
都心に賃貸マンションを同額で購入した場合、
通常では1820万円ぐらいの税金がかかりますが、
この特例を使うと譲渡金額の80%(8000万円分)が課税の繰り延べを受けられますので
364万円ぐらいの税金で済むことになります。つまり、手許に残る資金は約1456万円増加
することになります

事業用資産の買い換え特例にはいくつかの種類がありますが、
ここでは資産家の方に一番関連の深い長期所有資産の買換えの特例(措置法37条17号)に絞って解説します。

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平成10年度税制改正による大幅な緩和措置が講じられました

従来は既成市街地等内での土地から土地への買い換え等には、特例は適用されませんでしたが、
平成10年度税制改正により大幅な緩和措置が講じられました。

※平成19年度税制改正で、平成20年12月末の譲渡まで延長になりました。

ポイント1…………地域制限の撤廃

従来は、都市部から郊外への移転に対し特例の対象としていたのが、
郊外から都市部、地方から都市部、又は都市部内での買い換えも自由にできるようになりました。

ポイント2…………土地等の買い換えもOK

従来は、買い換え資産といえば、建物か機械等(減価償却資産)と限定され、土地は除かれていましたが、
改正で土地もOKとなりました。

ポイント3…………賃貸用不動産もOK

従来は、譲渡資産として貸付用は対象外でしたが、
改正で貸付用不動産(貸し駐車場の敷地、アパートの敷地と建物等)もOKとなりました。
もちろん農地もOKです。

以上のような改正により、たいへん使いやすい制度となりました。

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譲渡資産・買い換え資産・取得時期

譲渡資産

  • 国内にある土地等・建物又は構築物で譲渡をした年の1月1日現在で所有期間が10年超のもの
  • 相続で取得した場合には被相続人の取得日からカウントする

事業の範囲

譲渡資産は事業又は準事業の用に供されているもので相当の対価を得て継続的に行われているものを言います。

従って小規模の不動産賃貸業の土地等や農業用の農地で所得の申告(赤字申告含む)をしていれば
準事業として対象になることになります。

買換え資産

  • 国内にある土地等、建物、構築物又は機械装置等
  • 但し土地等の場合は譲渡土地等の面積の5倍までで、その5倍を超える部分の面積は特例を受けることが出来ません。
事業の範囲
譲渡資産と変わりありませんが、譲渡資産との結びつきは不用です。
また、その取得の日から1年以内に事業のように供することが必要です。

何時まで取得したら良いか?

原則として譲渡資産を譲渡した年の前年から翌年までの3年の間

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譲渡益と買い換え資産に付す取得価額

1)譲渡収入=買い換え資産の取得価額 の場合

譲渡収入の80%が課税の繰延べを受けることが出来ます。 

収入金額        取得費等              買い換え資産

譲渡益 = @ − A

買換資産に付す取得価額 = A + B

2)譲渡収入<買い換え資産の取得価額 の場合

譲渡収入の80%が課税の繰延べを受けることが出来ます。

      収入金額      取得費等             買い換え資産

譲渡益 = @ − A

買換資産に付す取得価額 = A + B

 3)譲渡収入>買い換え資産の取得価額 の場合

買い換え資産の取得価額の80%相当額が課税の繰延べを受けることができます。

   収入金額        取得費等                買い換え資産

譲渡益 = @ − A

買換資産に付す取得価額 = A + B

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メリット、デメリット

メリット

  • 譲渡税の流失が抑制され、キャッシュの流入が増加し経営が安定する
    • 手取りが多くなる。
  • 換金性が高くなる
    • 将来、資産を譲渡する必要が出てきた場合に、低収益より高収益物件の方が売りやすく、価額も有利になる。
  • 相続税の小規模宅地の特例の適用上、有利になる場合がある。
    • 小規模宅地等の特例は適用面積が制限されているので単価(路線価)が高いほうが減額金額が多くなる。
      したがって、高収益物件の方が減額金額が多く算出される。

デメリット

  • 減価償却費が単独取得より少なく計上される
    • 買い換えの対象となった(課税の繰延べを受けた)部分の取得費は譲渡資産の取得費を引き継ぐため、
      同じ資産を単独取得した場合よりも少なく計上される。
      また、買い換え資産を譲渡した場合には譲渡益が大きく計上される可能性があります。
  • 取得日は引き継がない
    • 買い換え資産の取得日は、買い換え資産の引渡しを受けた日(建築が完了した日)となりますので
      買い替え資産を短期間に譲渡した場合は短期譲渡課税になる可能性があります。

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適用を受けるための申告手続き

事業用資産の買い換え特例を受けようとする場合は
譲渡資産の譲渡申告書に所定の書類を添付して所得税の申告をする必要があります。

また、申告時にまだ買い換え資産を取得していない場合には、
買い換える予定の資産について「買い換え承認申請書」を税務署長に提出し、
買い換え資産の見積り額について承認を得る必要があります。

この場合、後日買い換え資産を取得した場合には
その取得をした日から4月以内に先に承認を得た見積り額と実際取得額の差額について申告をする必要があります。

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買い換えアドバイス

  • 目的は何か。年金、相続税対策、所得税対策、値上がり・・・・
  • 地方より都市圏(値下がり率が低い)
  • 郊外より都心(需要増が予想される)
  • 不便なところより駅近く(住宅のだぶつき)
  • 事業用より居住用(管理が楽、手間がかからない)
  • ファミリーマンションよりワンルーム(投資利回りが高い)
  • 量より質(競争力のない物件は家賃で勝負することになる)
  • 業者の言葉を鵜呑みにするな(都合の悪い話はしない)
  • 必ず現地行って自分の目で見る、いくつも見る
  • 他の業者の物件も見る
  • 家族にも見てもらう
  • 自分でも住みたいような物件を選ぶ
  • 建物を見る、居住者を見る、管理を見る
  • 利回りよりも安定
  • 直感が大切
  • 相続のことも考えて
  • 将来よりは今
  • 採算は十分か?
  • 持ち出しはないか?
  • 借入金利は将来の上昇も計算に入れているか?

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